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同時通訳ブースとは?種類や設置のポイント、必要台数の決め方を解説

  • 3 時間前
  • 読了時間: 14分

国際会議やセミナー、ハイブリッドイベントなどで複数の言語を扱う場合、同時通訳を導入することがあります。


その際、通訳者を手配するだけでは、安定した通訳環境を整えるには十分とは限りません。


イベントの規模や進行方法によって、適したブースの種類や必要台数も変わります。


本記事では、同時通訳ブースの種類や設置時に確認しておきたいポイント、必要台数の考え方まで解説します。




同時通訳ブースとは


同時通訳ブースとは、国際会議やセミナー、企業イベントなどで、通訳者が同時通訳を行うために設ける専用スペースです。


通訳者はブースの中で、登壇者や参加者の発言をヘッドホンで聞きながら、聞き取った内容をほぼリアルタイムで別の言語に訳してマイクへ話します。


通訳された音声は、専用の機器を通じて参加者の受信機やオンライン配信システムへ送られ、参加者は希望する言語を選んで聞くことができます。


同時通訳ブースの役割は、主に以下の通りです。


  • 通訳者が発言を聞き取りやすくする

  • 通訳者の声が会場へ漏れるのを抑える

  • 登壇者や資料を確認しながら通訳できる環境を整える


同時通訳ブースは、登壇者やスクリーンを直接またはモニターで確認できる環境を整えることも重要です。


実際のイベントでは、通訳者用のマイクやヘッドホン、会場の音声をブースへ届ける機器、通訳音声を参加者へ届ける送信機や受信機などを組み合わせて運用します。


そのため、同時通訳を導入する際はブースの大きさや設置場所だけでなく、会場のレイアウト、使用する言語数、参加人数、配信の有無なども含めて、必要な機材や音声の届け方を決めることが大切です。



同時通訳ブースの種類


同時通訳ブースは、設置方法や会場の設備によって、主に次の3種類に分けられます。


  • フルサイズブース

  • ポータブルブース

  • 会場常設ブース


以下からは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。



フルサイズブース

フルサイズブースは、通訳者がブースの中に入り、机や椅子、通訳用の機器を設置して使用する箱型のブースです。


イベント会場では、パネルを組み立てて設置するタイプも見られます。


通訳者の周囲をブースで囲うため、会場の音が入りにくく、通訳者の声も外に漏れにくいことが特徴です。そのため、以下のようなイベントなどに適しています。


  • 複数の通訳者が交代しながら対応する国際会議

  • 長時間にわたるカンファレンス

  • 大規模な企業イベント


一方で、ブース本体を置くためのスペースに加え、搬入や組み立てのための動線も必要です。


設置する際は通訳者の人数だけでなく、机や機器を置く広さ、出入りのしやすさ、換気、照明、登壇者やスクリーンの見え方まで確認しましょう。



ポータブルブース

ポータブルブースは、長机などの上に吸音パネルを設置して使用する簡易的なブースです。「卓上ブース」や「簡易通訳ブース」と呼ばれることもあります。


フルサイズブースと比べて設置スペースを抑えやすく、搬入や設営も比較的行いやすいのが特徴です。


ポータブルブースは、以下のようなケースで利用されます。


  • 小規模なセミナー

  • 社内イベント

  • フルサイズブースを設置する余裕がない場合


ただし、通訳者の周囲を完全に囲うわけではないため、遮音性はフルサイズブースより低くなります。


客席の話し声やスピーカーの音、空調音などが通訳者に聞こえやすく、反対に通訳者の声が周囲へ聞こえる場合もあります。


そのため、ポータブルブースを使用する場合は、客席やスピーカーから距離を取れるか、周囲が静かな場所を確保できるかなど、会場環境を確認したうえで設置場所を決めることが重要です。



会場常設ブース

会場常設ブースは、以下のような場所にあらかじめ設置されている場合があります。


  • 国際会議場

  • コンベンションセンター

  • ホテルの大規模な宴会場


会場常設ブースを利用できれば、外部からブース本体を搬入する必要がなく、客席や通路のスペースを確保しやすくなります。


また、会場の音響設備と接続できるよう設計されているケースもあります。


ただし、常設ブースがあるからといって、予定している同時通訳をそのまま実施できるとは限りません。


利用前には、次のような点を会場側へ確認しましょう。


  • ブース内に入れる通訳者の人数

  • 使用できる通訳機器や言語チャンネル数

  • 会場のマイク音声をブースへ送れるか

  • ブースから登壇者やスクリーンが見えるか

  • オンライン登壇者を確認できるモニターがあるか

  • 外部の音響機器や配信機器を接続できるか

  • 会場の技術スタッフに対応してもらえるか

  • 事前にリハーサルや接続テストを行えるか


特にハイブリッドイベントでは、会場内の音声だけでなく、オンライン登壇者の音声や映像をブースへ届ける必要があります。


常設ブースを利用する場合でも、イベント当日の進行や配信方法まで含めて、事前に設備の接続方法を確認しておくことが大切です。



同時通訳ブースと一緒に必要な機材


同時通訳を行うには、ブースだけでなく、登壇者の声を通訳者へ届ける機材、通訳音声を参加者へ届ける機材、参加者が通訳音声を聞くための機材が必要です。


同時通訳で使用する主な機材は、以下の通りです。


機材

主な役割

通訳者用ヘッドホン

登壇者や参加者の発言を通訳者が聞く

通訳者用マイク

通訳者が訳した音声を収音する

通訳操作機器

通訳者がマイクや聞く音声、送り出す通訳音声などを操作する

会場用マイク

登壇者や参加者の発言を収音し、通訳者へ届ける

音響設備

会場と通訳設備の音声を接続し、必要な場所へ振り分ける

通訳音声を参加者へ届ける機器

専用の送信機・受信機などを使う方式では、通訳音声を参加者へ届ける

参加者が通訳音声を聞く機器

専用の受信機のイヤホンやヘッドホン、参加者自身の端末など、採用する方式に応じて用意する

機材は個別にそろえるだけでなく、登壇者の声から通訳音声までが正しく届くよう、全体をつなげて構成する必要があります。


専用受信機を配る方式では、通訳を必要とする人数をもとに台数を決め、予備も用意しておきましょう。


複数言語に対応する場合は、言語ごとに通訳音声を分けて参加者へ届けられる構成が必要です。


あわせて、どの音声をどこへ送るのか、当日は誰が機器を操作・確認するのかも事前に決めておきましょう。



同時通訳ブースを設置するときのポイント


同時通訳ブースは、会場内に置ければよいわけではありません。


通訳者が発言を聞き取りやすく、登壇者や資料を確認しながら集中して作業できる環境を整えることが重要です。


設置するときに確認したいポイントは、次の通りです。


  • 通訳者から登壇者やスクリーンが見える位置に設置する

  • 通訳者が作業できる十分なスペースを確保する

  • 会場への音漏れや外部音の影響を抑える

  • 電源・配線・音響設備との接続を確認する


では以下からは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。


私たち株式会社LIFE.14は、同時通訳機材に加え、音響・映像・配信・撮影など、国際イベントに関する技術面の支援を行っています。


複数の技術会社との調整を減らし、設営から当日の技術対応までまとめて任せたい場合は、ぜひお問い合わせください。




通訳者から登壇者やスクリーンが見える位置に設置する

同時通訳ブースは、通訳者から登壇者や司会者、発言する参加者、スクリーンなどが確認できる位置に設置することが大切です。


通訳者は音声だけでなく、登壇者の表情や身ぶり、指し示している資料、会場の様子なども確認しながら内容を把握します。


そのため、柱や大型スピーカー、照明機材、撮影機材などによって視界が遮られないか、事前に確認しましょう。


また、ブースの窓に照明やスクリーンの光が反射すると、ステージや資料が見えにくくなることがあります。


会場設営の際は、ブースの向きや照明の角度まで含めて調整することが重要です。


オンライン登壇者がいる場合や、会場スクリーンをブースから確認しにくい場合は、通訳者用のモニターを用意するとスムーズです。



通訳者が作業できる十分なスペースを確保する

ブース内には、通訳者が無理なく作業できるスペースを確保しましょう。


同時通訳では、複数の通訳者が交代しながら対応することがあります。


そのため、通訳機器や資料を置くスペース、通訳者が出入りするための動線なども必要です。


ブースの広さを決める際は、次のようなスペースを確認しましょう。


  • 通訳操作機器やマイクを置くスペース

  • パソコンやタブレットを置くスペース

  • 台本や登壇資料、用語集を確認するスペース

  • 通訳者が交代するときの動線

  • 飲み物や筆記用具を置くスペース

  • ケーブルを安全に通すスペース


また、ブース内は長時間利用することもあるため、換気や空調、照明にも配慮が必要です。


設備音がマイクやヘッドホンに入り込まないかも含めて確認し、通訳者が集中しやすい環境を整えましょう。



会場への音漏れや外部音の影響を抑える

同時通訳ブースを設置するときは、通訳者の声が会場へ漏れにくく、反対に会場の雑音がブース内へ入りにくい場所を選ぶことも重要です。


通訳者は登壇者が話している最中も訳し続けるため、音漏れが大きいと、近くの参加者に登壇者の声と通訳者の声が同時に聞こえてしまう可能性があります。


また、会場内の話し声や音楽、空調音などがブースに入ると、通訳者が発言を聞き取りにくくなることもあります。


そのため、ブースは次のような場所をできるだけ避けて設置しましょう。


  • 会場用スピーカーの近く

  • 出入口や受付の近く

  • 参加者が頻繁に通る通路

  • ケータリングスペースや控室の近く

  • 空調設備など大きな音が出る設備の近く

  • スタッフ同士の会話が多いオペレーション席のすぐそば


特にポータブルブースは、フルサイズブースより周囲の音の影響を受けやすいため、客席との距離や設置場所にはより注意が必要です。



電源・配線・音響設備との接続を確認する

同時通訳では、ブース内の機器を動かすための電源に加え、会場の音響設備との接続が必要です。


オンライン配信を行う場合は、配信設備との接続も確認しましょう。


事前にブースの設置場所から電源や音響卓までの距離を確認し、必要なケーブルの種類や長さ、配線ルートを決めましょう。


ケーブルが通路を横切る場合は、参加者やスタッフがつまずかないようケーブルカバーを使用するなど、安全面への配慮も必要です。


特に確認しておきたい音声の流れは、次の通りです。


  • 登壇者のマイク音声が通訳者へ届くか

  • 会場参加者の質問が通訳者へ届くか

  • オンライン登壇者の音声が通訳者へ届くか

  • 通訳者の音声が正しい言語チャンネルへ送られるか

  • 参加者が受信機で希望する言語を選べるか

  • 通訳音声がオンライン参加者にも届くか


配信や録画を行う場合は、会場だけでなくオンライン側の音声も含めて確認する必要があります。


本番前には、機器を接続しただけで終わらせず、実際の受信機やイヤホン、オンライン視聴端末まで使って音声をチェックしましょう。


また、音声トラブルが起きた場合に備えて、通訳担当・音響担当・配信担当の役割分担も事前に決めておくことが大切です。



同時通訳ブースに必要な台数の決め方


同時通訳ブースの必要台数は、参加人数だけで決まるものではありません。


対応する言語数や通訳する方向、通訳者の人数、同時進行するセッション数、会場のレイアウトなどによって変わります。


主に確認したいポイントは、次の通りです。


確認するポイント

確認内容

・通訳する言語

・通訳の方向

・何語から何語へ通訳するのか

・複数の言語へ同時に通訳する必要があるのか

同時に通訳する会場・講演などの数

複数の会場や講演などで同時に通訳する場合、それぞれにブースが必要か

通訳者の人数

・各ブースで何人が作業するのか

・交代する通訳者を含めてどの程度の広さや機材が必要か

会場の既存設備

・常設の通訳ブースや通訳設備があるか

・上記をそのまま利用できるか

設置スペース

・ステージやスクリーンが見える場所にブースを置けるか

・出入りや配線に支障がないか


必要なブース数を考える際は、次の順序で確認しましょう。


  1. イベントで使用する言語を洗い出す

  2. 何語から何語へ通訳するのかを確認する

  3. 参加者へ提供する通訳音声の言語数を確認する

  4. 双方向の通訳が必要かを確認する

  5. 同時進行する会場やセッションの数を確認する

  6. 各ブースで作業する通訳者の人数を確認する

  7. 会場の常設ブースや既存設備を確認する


同じ言語構成でも、複数の会場でセッションを同時開催する場合は、それぞれの会場に通訳ブースが必要になることがあります。


反対に、参加者が多いイベントでも、通訳する言語が1つで、セッションも1会場のみであれば、参加人数だけを理由にブースを増やす必要はありません。


また、参加人数は、主に参加者用の受信機やイヤホンの必要数に影響します。


必要なブース数を検討する際は、次の情報をあらかじめ準備しておくと、機材会社や技術会社へ相談しやすくなります。


  • 会場図面

  • イベントの進行表

  • 使用する言語

  • 通訳元と通訳先の組み合わせ

  • 同時進行するセッション数

  • 各セッションの所要時間

  • 通訳者の予定人数

  • 通訳音声を利用する参加者数

  • オンライン登壇者やオンライン参加者の有無

  • 録画や配信の有無


このように、同時通訳ブースは「言語数だけを見て台数を決める」のではなく、通訳の方向や通訳者の体制、会場設備、イベントの進行方法まで含めて検討することが大切です。



同時通訳の技術支援事例


弊社では、国際イベントやハイブリッドイベントにおいて、撮影・音響・配信などの技術支援を行っています。


関連する事例は、次の通りです。


  • スイス大使公邸で開催されたパルムラン大統領出席のハイブリッドイベント

  • 欧州諸国大使館主催のハイブリッドイベント

  • オーストラリア大使館主催のハイブリッドイベント


以下からは、それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。


なお、以下には同時通訳ブースの使用が確認できない事例も含まれるため、国際イベントで必要となる音響・映像・配信などの周辺技術に着目して紹介します。



スイス大使公邸で開催されたパルムラン大統領出席のハイブリッドイベント


在日スイス大使館の大使公邸で開催されたハイブリッドイベントでは、会場の登壇者とオンライン参加者が円滑にやり取りできるよう、配信機器の設営や音響環境の整備を担当しました。


会場内にはモニターやスピーカーを配置し、音響・配信を操作するためのコントロールブースも設置しています。


会場のマイク音声、オンライン参加者の音声、スピーカーから流す音声などを適切に調整し、会場とオンラインをつなぐ環境を構築しました。


国際的なハイブリッドイベントでは、会場だけで音が聞こえればよいわけではありません。


登壇者、オンライン参加者、会場スピーカー、配信先など、それぞれに必要な音声を正しく届けるための設計が重要です。




欧州諸国大使館主催のハイブリッドイベント


欧州諸国の大使館などが関わるハイブリッドイベントでは、会場での撮影とオンライン配信を担当しました。


イベントは現地にもゲストを招くハイブリッド形式で開催され、日本語と英語の2言語で同時配信されました。


こうした多言語イベントでは、映像だけでなく、それぞれの言語の音声を適切な配信先へ届けるための音声設計が重要になります。


ハイブリッドイベントでは、本番前に接続環境を確認し、音声や映像が正しく届くかを確かめておくことが重要です。


同時通訳を組み合わせる場合も、通訳者へ届ける音声と、通訳後の音声を参加者へ届ける経路を事前に決めておくことが必要です。




オーストラリア大使館主催のハイブリッドイベント


オーストラリア大使館主催のハイブリッドイベントでは、映画上映とアフタートークを組み合わせたイベントの撮影・配信を担当しました。


会場には観客が参加し、映画上映後には登壇者によるトークをオンラインとオフラインの双方へ届けています。


こうしたイベントに同時通訳を取り入れる場合は、登壇者や映像の音声を通訳者へ送り、通訳音声を会場の参加者やオンライン視聴者へ届けられるよう、音声経路を追加する必要があります。




同時通訳ブースと必要な機材を整えて、スムーズな運営につなげよう


同時通訳には、マイクや通訳機材、イヤホン、会場音響などを正しくつなぐ必要があります。


ブース数は、言語数、通訳者数、同時進行する会議数、会場設備などを見て決めるのが基本です。


設置場所や配線の安全を確認し、ハイブリッド開催では会場とオンラインの両方へ正しい音声が届くようにしましょう。


株式会社LIFE.14では、国際カンファレンスや企業イベントにおける同時通訳のセッティングをはじめ、音響・映像・オンライン配信・撮影など、イベントに関する技術面をサポートしています。


同時通訳ブースの選定や設置方法、必要な機材の構成に迷っている場合は、会場やイベント内容に合わせた技術設計から当日の運用まで、お気軽にご相談ください。



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