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toB配信トラブルはこう回避!原因や対策、事例まで徹底解説

BtoB向けのオンライン配信では、たった一度のトラブルが企業の信頼や評価に直結することがあります。


音声が途切れる、映像が止まる、配信が突然中断されるといった配信トラブルは「想定外の事故」として片付けられがちですが、実際には多くが事前設計や準備不足によって起きています。


特にBtoB配信では、視聴者が取引先や顧客、パートナー企業であるケースも多く、「聞こえない」「見えない」「進行が止まる」といった体験は、そのまま企業イメージの低下につながりかねません。


だからこそ、配信トラブルは当日の対応力ではなく、起こさないための設計と対策が重要です。


本記事では、BtoB配信で実際に起こりやすいトラブルの原因を整理したうえで、事前に回避するための具体的な対策を解説します。




配信トラブルの原因


配信にはさまざまなリスク要因が存在します。主な原因は次のとおりです。


  • 回線

  • 機材

  • ヒューマンエラー


ここからは、こうした原因について詳しく見ていきましょう。



回線

社内ネットワークや会場のインターネット回線の帯域不足や一時的な混雑、あるいはWi-Fi設計の甘さが原因で、配信中に映像や音声が途切れるケースがあります。


特に配信開始直後や参加者が一気に増加したタイミングで集中しやすい傾向があります。


実際、映像・音声が途切れる、配信が停止するといった通信系トラブルは回線の不安定さが要因になることが多いです。


Wi-Fiの帯域不足や会場ネットワークの障害により、視聴者に映像が正常に届かなくなるケースも少なくありません。


配信では回線の安定性と通信速度が重要で、十分な帯域を確保できない場合、画質の低下や映像・音声の途切れにつながります。



機材

カメラやマイクなど撮影・音響機材、エンコーダーや配信PCの設定不整合、あるいは機材の劣化によって信号が乱れるケースもあります。


たとえば、特定のカメラ入力だけ映像が不安定になる、音声だけ途切れるといった不具合です。


オンライン配信では、機材や設定に起因するトラブルが発生しやすく、音声が出なかったり、映像が乱れたりといった問題が頻繁に見られます。


こうした原因で画面がブラックアウトし、配信中断に至ることもあります。


機材そのものの故障だけでなく設定ミスによるトラブルもあり、適切な設定ができていないと映像が安定せず音声が途切れるなど配信全体に影響を及ぼす可能性があります。



ヒューマンエラー

配信オペレーション上の人為的ミスも原因です。


操作手順の食い違い、権限設定の不備、画面切替タイミングの誤りといったヒューマンエラーによって、配信が途中で止まってしまうケースがあります。


特に複数人で配信を担当する体制では、「確認や準備不足によるヒューマンエラー」で本来防げたはずのトラブルが表面化しやすいとされています。


たとえば、誰かが誤って映像ソースを外してしまったり、音声ミュートを解除し忘れたりといったオペレーションミスが起これば、その瞬間に配信が途切れてしまいます。


ライブ配信では緊張感からミスが起こりがちであり、手順や設定間違いによるトラブルも少なくありません。


複数人が関与する現場ほど、役割分担や意思疎通の乱れによってヒューマンエラーが発生しやすくなります。



準備をしても本番で配信トラブルが起こる理由

事前に念入りに準備・リハーサルをしても、本番でトラブルが起きてしまうのはなぜでしょうか。


主な理由は次のとおりです。


  • 事前チェックと本番の状況が違うため

  • 小さな問題が同時に重なるため

  • 本番ではやり直しができないため


ここからは、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。



事前チェックと本番の状況が違うため

事前チェック(テスト配信)は、少人数かつ限られた端末・ネットワーク環境で行われることが多いものです。


しかし本番では、会場内で使用する機材が増えたり、スタッフ・登壇者・会場ゲストが同じネットワークに接続したりすることで、会場の回線やWi-Fiが混雑しやすくなります。


なお、オンライン配信では送信側(主催者)と受信側(視聴者)は基本的に異なる回線環境で視聴するため、視聴者数が増えること自体が直接送信側の回線負荷になるとは限りません。


一方で、主催側の配信用回線と会場ゲスト向けWi-Fiが同じ回線の場合、同時接続によって帯域が圧迫され、映像の乱れや音ズレなどのトラブルにつながる可能性があります。


たとえば、会場ゲストが個人のスマートフォンでZoomを利用し、同時通訳を聞くようなケースでは、会場内の通信量が一気に増え、想定外の混雑が起こることもあります。


そのため、本番では主催側の配信用回線とゲストWi-Fiの回線を分ける、または必要に応じてゲストWi-Fiを一時的に制限するなど、ネットワーク設計を含めた対策が重要です。


小さな問題が同時に重なるため

配信中は回線・機材・操作といった複数の要素が同時に動いています。


どれか一つが少し不安定になってもすぐには大事に至らないかもしれませんが、別の部分にもその影響が波及することがあります。


一つ一つは軽微な問題でも、タイミング悪く重なった瞬間にトラブルとして顕在化することがあります。


たとえば、映像の遅延と音声の小さなノイズ、操作のワンミスが同時に起きれば、視聴者から見れば大きな配信不具合につながります。


このように複合要因によるトラブルは、個別には検知・対処が難しく、重なった瞬間に初めて発覚するのです。



本番ではやり直しができないため

ライブ配信は一度始まったら途中で止めて最初からやり直すことができません。


録画動画の公開とは異なり、生放送中に問題が起こっても「カット&再収録」ができないため、その場で対処するしかありません。


判断が数十秒遅れただけでも映像が止まったり音声が聞こえなくなったりし、リアルタイムで視聴している人の体験に直結します。


特に映像が映らない・音が出ない・画面が切り替わらない・ネットが途切れるといった技術トラブルは致命的で、企業やイベントの信頼イメージにも影響を及ぼします。


本番中に問題が起きた場合、流れを止めて仕切り直すことは不可能である以上、一発勝負の緊張感が常につきまといます。


そのため事前に万全の準備をしていても、本番ではわずかなミスや判断遅れがトラブルにつながりやすく、視聴者の不満も一瞬で高まってしまいます。



配信トラブルの前ぶれの見極め方

大きなトラブルになる前に、「何かおかしい」という前ぶれに気づければ被害を最小限に抑えられます。


配信中に注意すべき兆候として、たとえば、次のようなものがあります。


  • 映像がだんだん遅れていく

  • 声だけ聞き取りにくくなる

  • 配信管理画面の数値が落ち着かない


ここからは、こうした前兆をどのように見極めるか詳しく見ていきましょう。



映像がだんだん遅れていく

話者の口の動きと声が少しずつズレ始め、時間経過とともに映像が音声より徐々に遅延していく場合、配信経路(ネット回線やPC処理)のどこかが混み始めているサインです。


最初は気にならない程度のズレでも、次第に拡大していくようなら要注意です。


そのまま放置すればいずれ映像が止まってしまう危険が高まります。


実際、ネットワークの帯域幅が足りないと配信映像に遅延やフリーズが発生することがあります。


口と音のズレは、遅延やフリーズの予兆といえるのです。


配信担当者は、映像と音声の同期ズレに気付いた時点で早急に回線状況やPC負荷をチェックすべきです。


たとえば、ビットレートを下げる、解像度を落とす、不要な端末接続を切るなどの対策で悪化を防げる可能性があります。


映像の遅れは「配信の通り道が渋滞し始めた信号」です。


この前ぶれを見逃さず、大きな停止に至る前に対応することが重要です。



声だけ聞き取りにくくなる

映像は普通に動いているのに、音声だけ割れたり途切れたりして聞き取りにくくなる場合があります。


これはマイク周りのトラブルや音声ミキシングの問題が出始めている可能性があります。


たとえば、マイクの接続不良で音声が途切れる、入力レベルが過大で音割れが起きる、といった典型的な症状です。


画面に問題がないからといって音声トラブルを放置すると、視聴者は内容を理解できずストレスが溜まります。


音声トラブルはライブ配信で最も視聴者満足度を下げる原因の一つともいわれ、映像以上に注意が必要です。


もし「映像は平常だが声が聞き取りづらい」という前兆が見られたら、マイクの接続や設定をすぐ確認しましょう。


具体的には、予備マイクに切り替える、音量レベルを適正化する、ノイズの原因を取り除く(不要な音声出力をオフにするなど)といった対策が考えられます。


音声だけの異変は配信オペレーション側の問題範囲を絞り込む重要なヒントになるので見逃さないようにします。



配信管理画面の数値が落ち着かない

配信の管理画面(配信ソフトやプラットフォームのダッシュボード)には、現在の配信状態の負荷や品質を示す数値(ビットレート、フレームレート、CPU使用率、ドロップフレーム数など)が表示されています。


調子が良いときは、こうした数値はほぼ安定して推移し、大きく変動しません。


ところが、回線や機材が限界に近づくと、ビットレートが急に上下したりCPU使用率が跳ね上がったりと数値に異常な揺れが現れ始めます。


人間に例えるなら、平常時は脈拍が安定しているのに、苦しくなると脈が乱れるのと同じです。


管理画面上のメトリクスが明らかに乱高下し、落ち着かない状態になったら、配信はすでに危険領域に入っています。


数値が異常を起こしても、何もせず配信を続行すれば、高確率で配信停止など重大なトラブルに至るのです。


前ぶれとして管理画面を常時監視するのは専門的ですが、配信のプロであればこの数値の動きを見て瞬時に判断します。


たとえば、ドロップフレーム率が増え始めたら回線負荷を疑う、CPU使用率が跳ねたらエンコード設定やPC負荷を疑う、といった具合です。


一般の担当者でも、管理画面に表示される警告(赤や黄色のインジケーター)には注意を払い、異常な変化を感じたら即座に対処できるようにしておきましょう。



配信トラブルを未然に防ぐ方法

どんなに経験を積んだプロでも、トラブルの可能性をゼロにすることは困難です。


しかし、適切な準備を講じることで発生リスクを大幅に下げることができます。


ここでは、配信トラブルを未然に防ぐための具体策として以下のポイントを紹介します。


  • 本番同等の条件で事前確認する

  • 単一障害点を作らない

  • 判断基準を事前に決める

  • 主催者側の担当範囲を決めておく

  • 配信業務側の担当範囲を決めておく

  • 想定外時の判断基準、対応方法を決めておく


それでは、それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。


なお、当社LIFE.14は国際カンファレンスや企業イベントの配信を数多く担当してきました。


事前確認の進め方や担当範囲の整理まで含めて検討したい場合は、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。




本番同等の条件で事前確認する

本番さながらの条件で事前テスト・リハーサルを行うことが不可欠です。


想定される視聴者数、使用する回線経路、実際の機材構成などを本番と同じ状態に揃えて確認しましょう。


すると、本番でのみ露見する問題を事前に洗い出すことができます。


プロの配信現場でも「本番と同じ条件でリハーサルを行い、全スタッフが役割を理解しているか確認する」ことが重要だとされています。


たとえば、数百人規模のウェビナーなら、可能であれば社内で同規模の同時接続テストを行ったり、実会場のネット回線を借りて速度テストをすることが望ましいです。


机上のチェックリストだけで満足せず、実負荷をかけたテスト配信で弱点を発見・改善しておくことが、未然防止に必要です。


単一障害点を作らない

配信システム上に単一障害点(SPOF)を可能な限り残さない構成にすることも重要です。


一つの回線や機材、電源、オペレーターなど、どれか一箇所に障害が発生しても配信全体が止まらないようバックアップしておきましょう。


具体的には、ネット回線であれば有線LANを使いつつモバイルルーターといった予備回線も用意し二重化しましょう。


手動切替でも構いませんが、最近では自動で予備にフェイルオーバーできる配信機器もあります。


機材についても、ケーブル類は断線に備えて複数予備を準備し、カメラやマイクもスペアを用意しておけば安心です。


人員体制も、特定の一人に判断や操作が集中しないよう役割を分散させましょう。


後述の「判断系統一本化」とのバランスが必要ですが、少なくとも誰か一人抜けても回るようにしておきたいところです。


このように、可能な限り単一点の故障で全停止とならないリスクヘッジ構成を組むことで、トラブル発生自体を低減・局所化できます。


判断基準を事前に決める

本番中にトラブルが発生した際、「配信を止めるか続行するか」「代替映像に切り替えるか」などの判断基準が事前に定まっていないと対応が後手に回りがちです。


そこで、停止・切替・継続の判断ラインを数値基準で先に決めておくことをおすすめします。


たとえば、「配信ビットレートが○Mbps以下になり30秒以上回復しなければ一旦配信停止」「音声が○秒以上途切れたらバックアップ音源に切り替え」など具体的なトリガーを決めておくイメージです。


こうした基準があれば、いざ異常が起きた瞬間にスタッフ間で迷いや意見対立が起こりません。


「○○の数値が閾値を超えたのでプランBに移行」といった具合に即座に行動できます。


事前にトラブルシューティング手順やチェックリストを用意し共有しておくことで、問題発生時に迅速・適切な対応がしやすいものです。


数値基準はイベントによって異なりますが、社内で過去事例を分析しつつ意思決定のラインを決めておくと安心です。



主催者側の担当範囲を決めておく

配信プロジェクトでは、イベント主催者側(クライアント側)の担当範囲と、配信技術を担う業者側の範囲をはっきりと線引きしておくことが肝心です。


まず主催者側には、登壇者の環境準備(カメラ映りする場所やPC準備など)、社内承認手続き、配信するコンテンツ内容の最終決定などの役割があります。


また配信開始の可否の最終判断や、本番中に重大トラブルが起きた際に配信を中断するか続行するかといった意思決定も、本来主催者側に属します。


どの時点で「開催する/中止する」の判断を下すか、誰がその責任を負うかを事前に合意しておくべきです。


こうした範囲が曖昧だと、本番中に「中止するかどうか」で現場と主催側が揉める恐れがあります。


たとえば、以前、とあるウェビナーで音声トラブルが発生した際、配信業者は続行を提案したものの主催企業がブランド保護の観点から中止を決断したケースがありました。


このように最終判断権限は主催者にあるため、事前に「どのレベルの不具合なら強行するか/中止するか」を話し合っておくことが大切です。


主催者側と配信側で事前に期待値をすり合わせ、主催者側の責任範囲(演者やコンテンツ準備、OK/NG判断など)をはっきりさせておくことで、本番当日の迷いや混乱を減らせます。



配信業務側の担当範囲を決めておく

配信業務を担当する側(配信代行業者や技術チーム)の責任範囲もはっきり定めておきましょう。


事前にクライアントと合意した機材構成、回線設計、監視体制などに基づき、当日は配信チームがそうした技術部分を全面的に管理します。


たとえば、「使用機材の選定・手配」「回線の帯域確保・監視」「配信ソフトの設定・管理」「異常検知後の即応判断」は配信業務側に一任するといった具合です。


配信業者側には、想定条件下で安定した配信状態を維持する責務があります。


事前準備段階で、どういった異常にどう対処するかまでシナリオを作成し、主催者と共有しておくと尚良いでしょう。


たとえば、「音声が途切れたら業者判断で即座に予備音源に切替OK」「映像停止が○秒続いたら業者判断で再接続実施」などの裁量範囲を取り決めておきます。


すると、本番中にいちいち主催側の了承を仰がず迅速に対処できます。


ただし対応した結果については逐一主催側に報告するなど、情報共有のルールも合わせて決めておくことが望ましいです。


要するに、技術面の守備範囲は配信チームが担い、コンテンツや中止判断といった本質部分は主催者が担う形にするのが理想です。


それぞれの担当範囲を明文化しておけば、当日の「そこは誰が判断するべきか?」といった迷いも無くなります。



想定外時の判断基準、対応方法を決めておく

大規模な想定外トラブルに備えた合意も欠かせません。


広域の通信障害、配信プラットフォーム側の大規模ダウン、震災などの天災による回線断といった事象が、絶対に起こらないとはいえません。


こうした事象は不可抗力として整理し、発生時の対応方針を事前に決めておきましょう。


要は「このレベルの事象が起きたら誰の責任でもない」「どちらも責任を負わない」といった線引きを事前にしておくのです。


たとえば、全国的なインターネット障害で配信が不能になった場合は主催者・配信業者双方免責とし、代替策(後日録画映像の配信など)に切り替えるといった取り決めです。


また、配信基盤(例:YouTubeやZoom)がサービス障害を起こした場合の中断判断や周知方法も決めておきましょう。


「○分以上復旧しなければ中止」「SNSやメールで参加者に案内する」など、対応フローを共有しておくなどです。


天災などで開催自体が困難になった場合のキャンセル判断ライン(たとえば、震度○以上の地震発生時は即中止)も事前に決め、参加者への連絡手段も用意しましょう。


重要なのは、こうした想定外事態を事前に「責任範囲外」として双方認識し合い、起きたらどうするかの方針を定めておくことです。


そうすれば、万一起きてしまった際にも迅速に計画に沿った対応が取れ、責任の所在でもめるのを防げます。



配信トラブルが起きた際に最優先すべきこと


万全を期していてもトラブルが起こってしまった場合、現場では何を最優先すべきでしょうか。


一般的に、配信トラブル発生の瞬間にまず優先すべきポイントは次のとおりです。


  • 視聴者体験を守る

  • 原因の見当を即座につける

  • 現場の判断基準・系統を一本化する

  • 意図しない画面表示を防ぐ

  • 録画として公開できる状態か見極める

  • 関係者への説明整理を後回しにしない


では、トラブル対応時の優先事項について順に見ていきましょう。



視聴者体験を守る

まず何より、視聴者の体験を守ることを最優先に判断すべきです。


たとえば、映像が止まってしまった場合でも、音声だけは継続できるなら音声を優先して流し続ける判断をするなど。


情報伝達が完全に途切れないようにすることで、視聴者は少なくとも内容を追い続けることができます。


配信画面が真っ暗で無音になるのは視聴者にとって最大のストレス。


「映像は止まっても良いから音だけでも聞こえてほしい」という声は多いものです。


実際、機材トラブルで画面ブラックアウトが起きると視聴者の不満度は非常に高まるため、最悪の事態でも音声や代替スライドだけでも維持したいところです。


同様に、セミナー系配信では発表者の映像よりもスライド資料のほうが重要なら、映像を切って資料共有だけ残す判断もあり得ます。


このように、その場で何を守るべきか優先順位を付け、視聴者への影響が一番少ない選択肢を取ります。


「画面は諦め音声を確保」「双方向機能は停止してもコンテンツ提供を続行」など、視聴者体験を途切れさせないことを第一に考えましょう。



原因の見当を即座につける

トラブルが発生したら、原因の当たりを瞬時につけることが肝心です。


配信停止の原因が「回線か機材か操作ミスか」を即座に疑い、検証範囲を絞り込みましょう。


経験上、映像・音声が両方止まったなら回線断や配信ソフト不具合、映像だけ止まったならカメラやエンコーダの問題、音声だけ出ないならマイクや音声ミキサーの問題、といった切り分けが考えられます。


たとえば、音声が途切れた場合には真っ先にマイクや接続の確認を行い、映像が止まった場合にはカメラ接続やソフト設定をチェックする、といった具合です。


事前に想定したトラブル対応手順書があればそれをすぐ参照し、チームで役割分担して同時並行で原因を探りましょう。


要するに「どの引き出しを開ければ良いか」を瞬時に判断することが重要です。


判断が遅れると復旧も遅れるため、日頃から回線・機材・ヒューマンのどこに起因するトラブルが多いかを学んでおきましょう。


幸い配信トラブル原因の多くは先述の3分類に収まります。


まず疑う箇所を絞り込み、当たりが付いたらそこに全リソースを投下して迅速に対処します。



現場の判断基準・系統を一本化する

トラブル対応時には現場に様々なプレッシャーがかかりますが、指揮系統を一本化することが極めて重要です。


複数の人がそれぞれ異なる指示を出し始めると、対応が混乱し時間ロスや二次トラブルを招きかねません。


そこで、判断権限を一人に集中させておきましょう。


「○○さんが総合判断者」と事前に決めておき、本番中トラブルが起きたらスタッフはその人の指示に従うよう統一する、という形です。


たとえば、回線復旧班・機材交換班のように役目を決め、最終判断は配信ディレクター役の人が下す、など。


こうしておけば「誰か止めろ!」「いや続けろ!」と現場で指示が錯綜するのを防げます。


特に社内外混合チームの場合、主催者側責任者と配信業者責任者が一本のラインで意思決定できるよう調整しておきましょう。


最終判断者を決めておくことで、現場対応における指示系統がクリアになり、混乱なく迅速な対応が可能になります。


なお、当社LIFE.14では、配信中の不測の事態に備え、判断基準を事前に整理し、当日も迷わず対応できる体制づくりをサポートしています。


緊急時における配信停止の判断タイミングや、切り替え手順まで事前に整理しておきたい場合は、ぜひ当社までご相談ください。




意図しない画面表示を防ぐ

配信トラブル対応のドタバタで意外と見落としがちなのが、意図しない画面表示の露出です。


配信停止や切替の際に操作を誤ると、本来見せるべきでない資料画面や配信ツールの管理画面などが一瞬映ってしまう事態が起こり得ます。


たとえば、別のクライアントの機密資料ファイルがデスクトップに映り込んでしまったり、Zoomの管理者画面が誤って参加者側に表示されてしまった、といったケースです。


こうした部分は映像や音の乱れとは別軸の問題ですが、情報漏洩や信頼失墜につながる重大リスクとなります。


そのため、事前に「緊急時に露出しても良い画面」と「絶対に露出してはいけない画面」を整理し、配信システム上で適切な設定をしておきましょう。


たとえば、OBSといった配信ソフトでは、非常用の静止画像(お詫び画面)をワンクリックで表示できるようシーンを準備しておき、咄嗟の際もその画像以外は映らない運用にします。


また、PCのデスクトップには機密ファイルを置かない、通知は全てオフにする、といった基本的な対策も重要です。


要は「配信が混乱したときに何が画面に出るか」をあらかじめ想定・統制しておくことが必要です。


以上ができていれば、たとえトラブル対応で焦っても見せてはいけないものを誤って映すリスクを最低限に抑えられます。


万一想定外の表示が出てしまった場合には、迅速に画面を隠しつつ、次に述べる説明対応にも移ります。


録画として公開できる状態か見極める

生配信中に一瞬だけ起きた問題であっても、録画(アーカイブ)には永久に残る点にも注意が必要です。


ライブ中は「一瞬だから大丈夫かな」と流した事象でも、後日アーカイブ動画を公開した際にクローズアップされ、問題視されるケースは少なくありません。


たとえば、配信中に一瞬だけ内部資料が映ってしまった場合、リアルタイムでは気づかれなくても録画で静止画を取られ拡散される恐れがあります。


また、配信トラブルで内容が途切れ途切れになったアーカイブをそのまま公開すると、視聴体験が悪く企業イメージ低下につながります。


そのため、配信終了後には録画映像を確認し、公開に耐えうる状態か見極めましょう。


問題箇所があれば編集で削除するか、場合によってはアーカイブ自体を非公開にする判断も検討してください。


本番中とは異なる視点で「後日視聴者に提供できるコンテンツか」を判断する必要があるのです。


社内イベントであれば、参加できなかった社員向けに録画を共有することも多いでしょう。


その際、不備がそのまま残っていれば社内で問題が再燃しかねません。


したがってトラブル後は、速やかに映像チェック・編集作業に入り、記録映像として問題ない形に整えることを優先してみてください。


配信中対応に追われて大変かもしれませんが、録画ファイルの確保と確認も忘れずに行いましょう。



関係者への説明整理を後回しにしない

技術的なトラブル対応とは別に、関係者への説明責任も早めに果たす必要があります。


もし配信中に情報露出などの事故が起きた場合、技術的な成否とは別軸で、関係部署や視聴者への説明・報告が必要。


報告を「後で落ち着いてから」と後回しにすると、社内外で憶測が広がったり不信感を招いたりする恐れがあります。


そのため、トラブル対応と並行して早い段階で説明文や報告内容を整理しておくのが望ましいです。


たとえば、社内向けには上長や広報部門宛に経緯と再発防止策をまとめた報告書を用意し、視聴者向けにはお詫びメールやSNS投稿のドラフトを作成します。


「配信トラブル対応と切り離して考えるべき論点」として、説明責任は別途スケジュールに組み込んでおくべきです。


配信対応班とは別に広報担当を置ける場合は理想的ですが、難しければ配信チーム内で臨機応変に担当を割り振ります。


重要なのは、事後説明を先送りにしないことです。


特に社外に影響するトラブルの場合、迅速で誠実な説明対応をすることが、その後の信頼維持に直結します。


配信が無事復旧・終了した直後のタイミングで、関係者へ状況を共有し、必要な説明・謝罪の準備を始めましょう。


こうした対応まで含めて、トラブル対応の完了といえるのです。



配信イベントの成功事例

ここでは、当社が実際に配信業務を担当させていただいたイベントの中から、配信トラブルなく成功した事例をいくつかご紹介します。


現場でどのような工夫を行い、安定した配信を実現したのかを知ることで、前述の対策が実践でどう活きるかイメージしていただければと思います。


例として、以下のようなイベントがあります。


  • 在日スイス大使館、スイス・ビジネス・ハブ主催事業投資セミナー

  • クラランスのライブコマース配信


それでは、それぞれの成功事例について詳しく見ていきましょう。



在日スイス大使館、スイス・ビジネス・ハブ主催 事業投資セミナー

在日スイス大使館およびスイス・ビジネス・ハブ主催の事業投資セミナーにて、当社LIFE.14が撮影・ライブ配信を担当させていただいた事例です。


羽田イノベーションシティ内のPiOPARKをスタジオのようにセッティングし、現地会場の様子を高品質映像でリアルタイム配信しました。


当日は在日スイス大使館スイス・ビジネス・ハブ日本代表のクラウディオ・マツケリ氏による開会挨拶をはじめ、スイス側・日本側の専門家が登壇。


スイスの税制やビジネス環境についてのプレゼンテーションや、「日本企業にとってスイスは理想の欧州拠点となり得るか」をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。


LIFE.14は会場内に複数台のカメラと音響機材を配置し、登壇者それぞれの映像・音声を安定して配信。


配信後にはアーカイブ映像がYouTubeで公開され、より多くの方にイベント内容を共有することにもつながりました。




クラランスのライブコマース配信

フランス発の高級スキンケアブランドクラランス(CLARINS)におけるライブコマース配信を、当社がサポートした事例です。


クラランスでは自社独自のライブコマースプラットフォーム上で、新商品の紹介やスペシャルゲストを招いた企画配信を定期的に実施。


2023年から約1年間にわたり撮影・配信業務を弊社LIFE.14が担当いたしました。


季節ごとの新商品を紹介するライブ配信では、製品の魅力をリアルタイムで伝えるべくマルチカメラによる商品アップ映像やテロップ挿入を駆使し、視聴者の購買意欲を高める演出を行いました。


コメント欄での質問にも即座に回答できる体制を整え、双方向のやり取りを含めたスムーズな進行を実現しました。


特にブランド公式プラットフォームでの配信ということで、高画質・高音質はもちろん、ブランドイメージに沿った画作り(照明や背景、美容感度の高い演出)にも注力しました。




配信トラブルが不安なら、LIFE.14に事前準備~本番の設計をお任せください


本コラムでは、配信トラブルを個別の事故ではなく、起こる前から起きた後まで連続した出来事として整理してきました。


回線・機材・ヒューマンエラーという原因は単独で発生するとは限らず、本番では複数が重なりやすいこと、そのため事前チェックをしていても安心しきれない理由があると解説しました。


さらに、映像や音のわずかな変化、管理画面の数値の揺れといった前ぶれに早く気づければ、長い中断を避けやすくなるはずです。


未然に防ぐためには、本番と同じ条件での確認、どこか一か所に頼り切らない構成、止めるか続けるかの判断線を先に決めておくことが欠かせません。


また、主催者側と配信業務側の担当範囲、想定外が起きた場合の対応を事前に共有しておくほど、当日の混乱は減ります。


当社LIFE.14は、これまで数多くの配信案件に携わっております。


国際色のある案件においても、内容や要件に応じた体制を構築し、関係者と密に連携しながら円滑な進行を実現します。


配信や音響、映像撮影、同時通訳といった各要素を一体的に設計できる総合力を強みとしており、事前確認の進め方から当日の判断基準、担当範囲の整理に至るまで、包括的にサポートすることが可能です。


配信トラブルに不安をお持ちの場合は、ぜひLIFE.14までお問い合わせください。



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